仕事

心がやわらかくなるとこの世界が好きになる

『植物園の歩き方 きれい、心地よい、愛おしい さまざまな「うつくしい」を求めて』が発売されました。

グラフィック社
監修:保谷彰彦先生(植物学者)
装丁:鈴木千佳子さん

帯文はこの企画を提案してくださった編集の方が考えてくださいました。とても気に入っています。

京都府立植物園に行ってあちこちで記念撮影しました。

この本では、全国9箇所の植物園をまわりました。
どの植物園もそれぞれの特色を持ちながら、植物の保全と研究、知識の普及に力をいれられています。広大な敷地を歩くだけでも楽しく、植物のことを知ることでもっと植物が好きになりました。

私は植物の専門家ではないので、植物園でのメモやスケッチに加えて、取材後に図書館などで知識を補いながら描きました(巻末の参考文献)。実際に見た植物の歴史的背景や生態を調べていくのは大変でしたがかなり面白く久しぶりに勉強の楽しさを思い出しました。

・京都府立植物園
・草津市立水生植物公園みずの森
・宮崎県総合農業試験場亜熱帯作物支部「有用植物園」
・筑波実験植物園
・伊豆シャボテン動物公園
・高知県立牧野植物園
・東南植物楽園
・北海道大学植物園
・仙台市野草園
(敬称略 書籍収録順)

章と章の間には、編集部の方が書いてくださった植物園の概要、植物学者の保谷先生による素朴な植物の疑問へのQ&Aがあります。勉強になります!

見返しがかわいすぎる。鈴木千佳子さんの装丁で隅々まで素敵な本になりました。

漫画に登場する植物は、巻末に図鑑としてまとめていただきました。

カバーをめくると..

カバー裏には紹介した9つの植物園に加えておすすめの全国の植物園リストがついています。QRコード付きなのですぐに情報を調べられます。

サイン本用に、描き下ろしの図柄でかわいいスタンプをつくっていただきました。このスタンプを押して名前とちいさな絵を書き入れています。インクはラメ入りの緑と茶色の二種類。どちらになるかはお楽しみに。このホームページのストア欄に掲載している懇意の書店さんほか、全国の一部の書店さんにてお取り扱いいただいています。(数量限定)

そして、早くも重版が決まったそうです。本当にありがとうございます。応援のおかげで描き続けられます。

植物への愛、植物園をめぐる喜びをこめて描きました。この本をもって植物園に出かけてみようかなという気持ちになっていただけたらこんなにうれしいことはありません。ぜひお手に取ってみてください。

GENESISをふりかえる

・東京創元社のSFアンソロジーシリーズ「Genesis」の最後に装画を担当した号が8/12に発売される。元々単行本で刊行されていたが、3年前から雑誌『紙魚の手帖』の夏のSF特集として合併された。単行本の創刊号から8年間描かせていただいたことになる。毎年、編集の方、デザイナーの方とどんなテーマの装画にするのか話し合うも楽しかった。自由に描かせていただいたのでどれも思い出深く、折角なので備忘録も兼ねて簡単に振り返る。

『Genesis 一万年の午後 創元日本SFアンソロジー』

・テーマは「宇宙×工場」。月面にあるうさぎ工場を描いた。おもち製造機などを参考に発想を膨らませて考えていった。最初は表1だけのご依頼だったが、途中から表4まで回すことになり、慌ててラインを増築した。この人物は共通して登場していく。

『Genesis 白昼夢通信 創元日本SFアンソロジー2』

・テーマは「学校×恐竜」。授業中に窓の外を見たら恐竜たちの時代に繋がっていたという様子。さりげなく帯に隠れる部分に哺乳類の祖先を描いたらそれに言及してくださる方もいて嬉しかった。

『Genesis されど星は流れる 創元日本SFアンソロジー3』

・テーマは「団地×海』。団地の資料用に近所の団地に写真を撮りにいったら怪しまれて申し訳なかった。潜っていくような俯瞰の構図に。特に気に入っているのは植木鉢をすみかにしているタコ、ジンベエザメとコバンザメ。

『Genesis 時間飼ってみた 創元日本SFアンソロジー4』

・テーマは「オフィス×動物」。動物たちはそれぞれ体格や特性が違うのでどんなオフィスにするか迷ったが、フリーアドレスで椅子や机に制約がないものにした。ネタ出しが楽しかった思い出がある。ヨウムの電話番がお気に入り。

『Genesis この光が落ちないように 創元日本SFアンソロジー5』

・テーマは「温室×鳥」。この号で単行本としての刊行は最後だと伝えられていたため、祝祭的なムードを描くことにした。地面も天井も描きたかったので歪んだレンズで撮影したような不思議なパースにした。植物も鳥も好きなので、モチーフが多く一番大変だったが楽しく描いた。

『紙魚の手帖 vol.12 Genesis 夏のSF特集』

・この年からGenesisは単行本ではなく雑誌『紙魚の手帖』の夏のSF特集として掲載されることになった。装丁も、今まではnext door designの小柳さん、長﨑さんが担当してくださっていたが、アルビレオさんが担当してくださることに。表紙の面積が狭く文字も多いので、一枚絵ではなくパーツごとに描いてデザインいただくスタイルで納品している。

・テーマは「時間」。SFのおハコでもあるテーマ。時計の歯車や星の軌道、咲いて枯れていく花など、幅広く描いた。カメは『モモ』のイメージ。

『紙魚の手帖 vol.18 Genesis 夏のSF特集』

・テーマは「架空の都市」。どこか懐かしい雰囲気の街を描いた。勝手に組み合わさって増えていくような街が好き。

『紙魚の手帖 vol.24 Genesis 夏のSF特集』

・テーマは「宇宙」。創刊号と同じ宇宙で締めることに。壊れた宇宙都市の中で、AIが搭載されたロボットと友情を育んでいる、という設定を考えながら描いた。8年間描いてきたこの人物が、寂しい場所でも幸せに過ごしているといい。

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